平成29年より適用される「セルフメディケーション税制」。
新聞広告などメディアでも取り上げられることが多かったので、目にされた方も多いと思います。 この制度、「薬局で薬をたくさん買って、領収書を取っておけば、税金が返ってくる。」と思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、実はいろいろと要件があり、その要件を満たして確定申告をすることで、次の“所得控除”を受けることができるというものです。
医薬品の購入額 - 12,000円 = 所得控除額(最高88,000円)
この「所得控除額」とは、会社員の方であれば年末に会社から渡される源泉徴収票に記載の「給与所得控除後の金額」から引ける金額であり、「返ってくる税金の額」ではありません。
ここから、要件を確認していきます。
【要件1】 対象となる医薬品の購入
厚生労働省のホームページに、一覧が掲載されています(2ヶ月に1回更新予定)。 また、薬局では値札にマークが付いていたり、医薬品の箱にもマークが入るようになったりしています。 この購入額(同一生計の配偶者・親族のための購入を含む)が12,000円を超えた場合に、適用を受けることができます。
【要件2】 レシート(領収書)
【要件3】 一定の取り組み と 証明書の提出
その年中に健康診断の受診や、予防注射の接種をする必要があります。 その証明書(領収書や結果通知書など)を提出(又は提示)することとなります。 健康診断結果通知書の場合、写しでもよく、結果部分は不要のため黒塗りしても良いとされています。
【要件4】 明細書の提出
現時点で、具体的な書式は公表されていませんが、確定申告の際に提出しなければなりません。 なお、この明細書を提出しても、【要件2】の領収書について、5年間は税務署から提出を求められた場合は提出しなければならないこととされています。 ただし、経過措置として、平成31年分の確定申告までは領収書の添付で適用を受けられます。
一年間に、薬局で対象の医薬品を12,000円超購入するか…はそれぞれだと思いますが、ひとまず購入した場合はレシート(領収書)を保管する意識を持つことは良いかもしれません。
そして健康診断も受けましょう!
会社員の方は、会社で決められていて受診されている方も多いと思いますが、個人事業主の方など国民健康保険加入の場合も補助等のお知らせがあると思います。中小企業の社長さまは、ぜひ従業員の皆さまにも受診いただくようにご配慮をお願いいたします。
(注)セルフメディケーション税制は、今までの医療費控除とは選択適用です。