税務の話題
令和3年度税制改正大綱より
中小企業の経営資源の集約化に資する税制(案)について
個人事業の方は、まだまだ「確定申告の処理真っただ中…」な方も多いかもしれませんが、今月は視点を変えて、事務所通信第34号にてご紹介をしていなかった税制改正大綱の内容をご案内いたします。
名称からは、一体何のこと!?と思われる税制ですが、ごく簡単に書くと次のような内容です。
(簡単な記載とするため、税法上の表現は使用しておりません。ご了承ください。)
- M&Aで株式を取得した中小企業者(青色申告・経営力向上計画の認定を受けていることが要件)は、取得価額の70%まで、取得した事業年度に損金算入できる。
- その後5年間は、リスクが顕在化した時に益金算入。
- 5年間状況が変わらなければ、その後の5年間で取得した事業年度に損金算入した金額を、均等に益金算入。
「今と違う業態にも取り組みたい!」「でもイチから立ち上げるにはハードルが高い…」とお考えの方には、M&Aも一つの方法であると考えられます。この税制は、あくまで「課税の繰り延べ」ですが、その一歩を後押ししてくれる税制になるのではないかと思います。
なお、適用は、中小企業等経営強化法の改正法の施行日から令和6年3月31日までに中小企業等経営強化法の経営力向上計画(経営資源集約化措置(仮称)が記載されたものに限る。)の認定を受けたものが対象となります。
制度のご紹介
中小事業者に対する経済産業省の支援措置について(続報)
先月ご案内をいたしました2つの支援措置について、徐々に詳細が公表されてきました。
今月より、受付・公募が開始される予定となっています。
ご検討をされている方は、引き続き、ご確認をお願いいたします。
緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金
2021年1月に発令された緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛により、売上が50%以上減少した中小法人・個人事業者等の皆様に、「緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金」を給付する施策です。
情報は随時更新されておりますので、経済産業省のページにて最新情報をご確認ください。
▼経済産業省 一時支援金概要ページ
https://www.meti.go.jp/covid-19/ichiji_shien/index.html
▼経済産業省 一時支援金申請ページ
https://ichijishienkin.go.jp/
事業再構築補助金
新分野展開や業態転換、事業・業種転換等の取組を通じた規模の拡大等を目指す企業・団体等の新たな挑戦を支援する補助金です。 こちらの申請には、〔GビズIDプライム〕が必要となります。お考えの方は、お早めのご確認・登録をお願いいたします。
▼経済産業省 事業再構築補助金ページ
https://www.meti.go.jp/covid-19/jigyo_saikoutiku/index.html
▼GビズIDプライム申請ページ
https://gbiz-id.go.jp/top/
税務の話題(番外編)
消費者に対する価格表示の消費税の総額表示義務
令和3年3月31日で特例措置が終了するため、4月1日からは必ず総額表示をしなければなりません。
〔総額表示=支払総額を記載すること〕です。
飲食店や小売業など、一般消費者に価格を表示する業種の方は、今月中に改めてご確認ください!
<「総額表示」の例 >
11,000円(税込)
11,000円(税抜価格10,000円)
11,000円(うち消費税額等1,000円)
編集後記
今年は渋沢栄一が注目されていますね。大河ドラマに新一万円札…。
そして、今の日本を支える多くの企業に携わったことも広く知られています。
その一つ、今の「清水建設」の新聞広告で渋沢栄一から受けた教えが掲載されていました。
道理に敵った企業活動によって社会に貢献し、
結果として適正な利潤を得て、社業を発展させる。
という「論語と算盤」の教えだそうです。
事業を行う皆さまにも、皆さまの事業の発展をお手伝いさせていただいている私たちも、深く考えたい教えだと感じます。
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