税務の話題
「平成31年度 税制改正大綱」が発表されました!
昨年12月14日に「税制改正大綱」が発表されました。
新聞をはじめとしたメディアでも取り上げられていますので、ご覧になっている方も多いと思います。
「税制改正大綱」とは、増税や減税、新しい税の仕組みなど、翌年度以降の「税制改正の原案」のことです。
まだ“決定”ではありませんが、税制からこれからの動きを考えていきましょう。
消費課税
●自動車税の減税
総排気量 | 現行 | 改正案 |
---|---|---|
1,000cc以下 | 29,500円 | 25,000円 |
1,000cc超 1,500cc以下 | 34,500円 | 30,500円 |
1,500cc超 2,000cc以下 | 39,500円 | 36,000円 |
法人課税
●中堅/中小/小規模事業者の支援
― 中小企業者等の法人税の軽減税率の特例の適用期限を2年延長。
― 中小企業投資促進税制の適用期限を2年延長(所得税についても同様)。
個人所得課税
●住宅借入金等特別控除の特例の創設(消費税額が10%である取得に限る)
資産課税
●個人事業者の事業用資産に係る相続税(贈与税)の納税猶予制度の創設
「税制改正大綱」、実は124ページもあります!
身近なものから出会う可能性は低い(と思われる)ものまで様々ありますが、今回は「身近なもの」の中からほんの一部を掲載いたしました。
自動車税の減税は、メディアでも“メイン”として取り上げられていたところです。総排気量が少ない車ほど減税額が大きいようです。平成31年10月1日以後に新車新規登録を受けたものから適用されます。事業で車を所有する場合にも影響してきますね。
税制改正については、適用開始時期が決められていますので、そちらも注意する必要があります。
この紙面でも、時期にあわせてご案内する予定です。気になる改正は、ぜひお問い合わせください!
「平成31年度税制改正」の基本的考え方
・全世代型の社会保障制度へと大きく転換するとともに、財政健全化も確実に進めていくため、消費税率10%への引き上げを平成31年10月に確実に実施する。
(→消費税増税が改めて明言されました。)
・消費税率引上げに伴う対応、需要変動の平準化
平成26年4月の引上げの経験を活かし、経済に影響を及ぼさないよう、万全を期す。
(→この考え方から、自動車税の減税や住宅ローン控除の期間延長が決定されてくるようです。)
・事業承継に対する支援
円滑な世代交代を通じた事業の持続的な発展の確保が喫緊の課題となっていることを踏まえ、平成30年度税制改正における法人の事業承継に続き、個人事業者の事業承継を促進する。
・中小企業による積極的な設備投資等の支援
地域経済の中核を担う中小企業は深刻な人手不足に直面しており、生産性向上や経営に対する支援を強化していく必要がある。
(→「軽減税率の特例」や「特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却等」の適用期限延長が予定されています。)
事務所の近況
最近聞くことの多い「M&A」に関して…
事業承継サイト(日本税理士連合会)の利用登録をしています!
税制改正大綱でも言われていますが、現在、中小企業の活力の維持・向上のために、事業承継の円滑な実施が喫緊の課題となっているようです。民間M&A業者も増えてきています。
中小企業庁の資料では、東京オリンピックが過ぎた5年後…2025年には団塊の世代の中小企業経営者の約半数(127万人)が廃業を予定しているとされています。
しかし、中小企業の事業承継では、いろいろなハードルがあることも現実です。
そこで!
そういった中小企業さまと日頃よりお付き合いをしている税理士が、皆さまの「売りたい」「買いたい」をお手伝いするため、日本税理士連合会にてマッチングサイトが運用されています。
売りたい場合も買いたい場合も、案件に関する照会は、担当税理士同士が全てサイト上で行います。
ご興味がある方は、ぜひご相談ください。
“ちょっとギモン…”にお答えします!
よくあるギモン その1
「車は何年で経費になるの?」
Answer…
新車の場合の耐用年数
普通乗用車:6年 軽自動車:4年
(トラックなどの大型作業車は別途)
中古車では、初年度登録からの経過年数を加味しますので、最短2年償却です。
具体的には...(耐用年数-経過年数)+ 経過年数 × 20%と計算し、普通乗用車は4年落ちだと最短で経費になります。
なお、法人と個人事業では、原則的な償却方法(=償却額=経費となる額)が異なります。また、期中取得は事業供用月から月割りで償却します。
車の購入は、消費税の課税事業者の場合、消費税の納税額にも影響する場合があります。
経理財務面については、ご購入前にご相談ください!
編集後記
皆さま、新年あけましておめでとうございます。
2018 年は、どのような一年でしたか。
私たちの事務所は、この「事務所通信」の創刊や引越し、その他諸々…、いろいろな“動き”のあった一年でした。
「年々、時が経つのが早くなる」という話はよく聞きます。それは、歳を重ねると「新しい出来事が少なくなるから」ということもあるそうですが、私たちは毎年新しいご縁をいただくなど、変化があっても一年は「あっ」という間です(笑)。
そんな「早さ」に負けず(?)、今年も、皆さまとともに、前を向いて進んでいきたいと思っております。
今年も、よろしくお願いいたします!
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