経営を考えよう
経営者なら意識しておきたい「外(金融機関)」からの評価
「売上は多い方が良いけど、税金は(できれば)払いたくない!」と思いながら、毎期の成績(損益計算書)を見ていませんか?
「自分が創った会社なんだから、全て自分のもの!」と会社のお金を使っていませんか?
――これらの考え方、実はとても危険です…。
いつでもお金が出る“打ち出の小槌”をお持ちの方は心配ないのですが、多くの事業者は、金融機関とお付き合いしているのが現実だと思います。ただ、お相手も“慈善事業”ではなく“ビジネス”です。「付き合いたいと思わせる自分」を少し意識してみませんか。
【ポイント①】金融機関には「融資する基準」がある!
これは、金融機関の“感覚”ではなく、「格付け」といわれ“順位付け”されるものです。この順位付けによって、貸す?貸さない? 金利は? 期間は? 担保や連帯保証はどうする?といった条件が判断されることになります。
【ポイント②】「債務者区分」という評価
金融庁では下記の6区分に分けており、これをもとに金融機関も判断をおこなっているようです。
下位よりは上位が良い・・・ですよね。実際、融資を受けることができるのは「1.正常先」と「2.要注意先」の上位・・・です。
【ポイント③】“財務情報”は重要視されている!
「事業性評価」という、財務諸表に現れない“非財務情報”を評価する方法も評価の1つですが、それでも融資に際しては、現実に現れる数字=“財務情報”が判断の大半を占めるようです。その財務情報を使って計算される評価項目を意識することも大切です。
具体的な項目は「ポイント④」にてご確認ください。
【ポイント④】改善できるポイントを意識する!
下表が各項目の具体的な指標ですが、見慣れない指標で評価されているのがお分かりいただけると思います。
会計事務所へ資料を渡すと出来上がるだけの過去のもの(!?)と思われがちな財務諸表も、実は評価対象なのです。
事務所通信第52号でご紹介した「自己資本比率」も入っています。
今後も、各指標をご案内いたします。ぜひ、“自社の見え方”も意識して、経営をしていきませんか。
インボイスへの道
第2回 「支払った消費税」となる要件
このページの掲載資料について
本項目に掲載した図については全て、国税庁「適格請求書等保存方式の概要‐インボイス制度の理解のために‐」(令和4年7月)より抜粋いたしました。
また、文中の略称は以下のとおりです。
[QA] … 国税庁軽減税率・インボイス制度対応室発行「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」平成30年6月(令和4年4月改定)
取引業者から請求書を受け取って支払う。お店で領収書を受け取る。
今も当たり前のように行っていると思いますが、インボイス制度開始後は、これらの「書面」がより一層重要となります。いえ、「書面」が無いと問題が生じます。
仕入税額控除の要件 = 支払った消費税として計算できる要件ということです。
当然、この「請求書等」は“適格請求書”いわゆる“インボイス”のことを言っています。
ちなみに、消費税法では「支払う」ことを全て「仕入れ」と表現します。
つまり、この「仕入税額控除」は、商品や材料や外注だけでなく、飲食代等の経費も含まれます。支払い手段は問いません。・・・そう、現金で支払っても、クレジットカード決済でも、QRコード決済でも、全て必須記載事項を満たしたインボイスが必要なのです。
クレジットカード会社から発行される明細(一覧)は、インボイスにはなりません!
(参考:国税庁 質疑応答事例「カード会社からの請求明細書」)
「クレジットカードで決済したら、領収書は要らない」と思われている方もいらっしゃるようですが、それは誤りです。今日から意識して受け取るようにしてください!
なお、どうしてもインボイス(領収書)の収集が出来ない方は、「簡易課税(注)」を選択することもご検討いただきたいと思います。
(注)
2期(2年)前の課税売上高が5,000万円以下の場合のみ選択可。適用する場合、届出が必要。課税売上げの消費税のみを基に計算する方法です。仕入れに関するインボイスを意識しなくて良い反面、「原則課税」より納税額が多くなる場合もあります。詳細はお問い合わせください。
↓画像をクリックでPDFが開きます↓