税務の話題
「青色申告」と「白色申告」のこと
確定申告の「青」と「白」 ―― 皆さま“何となく”でもお聞きになったことがあると思います。
ただ、実は所得税法には「白色申告」という言葉は無く、「[青色の申告書]で提出することができる申告書」 のことを 「青色申告書」 ということから、国税庁の資料でも、便宜上「白色申告」と表現されているようです。
今月は、1年に1度のタイムリー(?)な所得税確定申告のお話しです。
「青色申告」は所得限定!
所得は10種類に区分されますが(2019年2月号参照)、このうち、「青色」の申告書を提出できるのは、不動産所得・事業所得・山林所得 のある方だけです。(「ふ・じ・さんは青い」と覚えましょう!)
- ”限定”ということは、、、
要件を満たすことで「青」だけに認められた特典もあるのですが、共通点もあります。 - 「青」と「白」の共通点
簡単にいうと、「記帳」と「帳簿などの保存」は必須です。(「白」は多少の簡略化が可能です)
今回は、「不動産所得」と「事業所得」に絞ってお話しをしていきます。
「青色申告」は相当の特典あり!
とてもメリットが多い青色申告。その特典をご紹介します。
1.青色事業専従者給与
届出書を提出することで、その範囲内で家族に支払う給与(労務の対価として相当であると認められる金額)が必要経費として認められます。
2.貸倒引当金(事業所得のみ)
売掛金等の貸倒れによる損失の見込額(上限あり)を必要経費に算入できます。
3.青色申告特別控除
令和1年分までは一定の要件を満たすことで「65万円」の控除が認められていましたが、令和2年分以後の確定申告については、改正があります!
【改正1】
青色申告特別控除額 10万円が、基礎控除額 10万円に振り替わります。
(通信の第23号でご案内した給与所得控除からの振替と同じ部分です)
【改正2】
一定要件を満たすと、青色申告特別控除額が65万円据え置きとなります。
(つまり控除額が10万円増額されます!)
※「65万円据え置き」の要件
今までの「①複式簿記で記帳 ②申告書に貸借対照表・損益計算書などを添付 ③期限内申告」という3要件に加え、次のいずれかを満たすことが必要です。
(1)確定申告書をe-taxで送信(電子申告)
(2)電子帳簿保存
→ 電子帳簿保存には申請が必要(通常は開始する日の3ヶ月前まで)です!ただし、令和2年分は9月30日までに提出すれば認められます。一般的な会計ソフトも対応していますよ!
「青色」で提出したいときは
「青色申告承認申請書」を税務署長に提出します。
期限は、[その年の3月15日まで]です。
税務の話題2
他社での勤務を確認していますか?
パートやアルバイトの源泉徴収について
「大した額でもないから…」「他の従業員と同じようにやってる」「給与計算ソフト使ってるし」という方も、毎月のお給与計算などの際には、改めてご注意をいただきたい部分のお話しです。
「甲」??「乙」???
と思われた方、突然失礼いたしました…。
こちらは、源泉徴収税額の計算方法の種類です。下の税額表により、お給与額(社会保険料控除後)に応じて源泉徴収税額が決められています。
源泉徴収税額は給与支払者が預かり、税務署に納めますが、納税義務者は「給与支払者」です。つまり従業員などから預かっても預からなくても(お給与から引いても引かなくても)給与支払者が納めなくてはならないのです。
皆さまの事業にとって大切な“人財”については、細かいお話しですが、扶養の人数なども含め、正しく把握をしていただきたいと思います。(なお、「扶養控除等(異動)申告書」の提出があった方に限り、「甲欄」で計算をすることができます。詳細はお問い合わせください。)
事務所こらむ
やはり大切にしたい「“中身”確認」のススメ
法人の方は年1回の決算申告、個人事業の方は確定申告、と事業を行う以上「申告」から離れることはできませんが、その「申告」の前段階には「会計処理」があります。簡単にいうと、「会計処理 = 帳簿作成」。請求書や領収書をまとめる(集計する)作業です。
「毎月の損益計算書で収支は確認している!」「打ち合わせで業績の話は聞いている!」という方も多いと思いますが、それでは「先月の“接待交際費 〇〇円”には、どういった支払いが計上されていましたか」という問いに、すぐにお答えいただけるでしょうか。
自動振替で契約した通信費などの固定費も、意識して見直さない限り、払っている感覚もなく、支払いが続いていきます。「仕事で忙しいから、自動引き落としにしているし、経理(税務)処理を任せている!」というお声も理解した上で、私たちからのご提案です。
① 利益を残すために…本業の「売上増」「原価減」に加え、「固定費減」も大切な手段の1つです!
② 作成している会計帳簿は、月次のご報告後、いつでもお手元で確認していただけるように設定できます!
相手(売上や原価)を動かすと同時に、自分(経費)が変わることも“きっかけ”として考えてみませんか。
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