税務の話題
心に留めておきたい法人税務のこと
売上や仕入以外でも、事業を行う上では日々お金が動いています。
ただ、税額計算の時には、「お金を払ったこと」が全て「経費(費用)」 となるわけではなく、「経費(費用)」と認められるためには、決まりがあることもあります。
法人税法は「公平に課税が行われるために」決められている法律です。
今月は、私たちがよくお話しをお聞きすること = 皆さまの身近にあること、だからこそ、少し意識していただきたいことをお届けいたします。
車や備品などを購入した!…減価償却!?
事業に必要なものは、当然用意しなければなりません。
ただ少し高価となると、購入のタイミングを考えますよね。
「あ!今年はちょっと利益が出そうだから、買ったら節税!?」と考えてしまいますが、そうとは限りません!
①取得価額によって、全額が経費になるかどうか、が変わります!
金額は
●税抜経理の場合は税抜価格で、税込経理の場合は税込価格で、
●そのモノを動かすために必要となる付属品などを全て含めて
考えます。
②減価償却費は使い始めた時から計算します!
3月決算法人の場合、3月に購入し3月に使い始めた資産の減価償却費は1か月分のみになるということです。
計算をする際には「使い始めた時」がポイントになります。
「使い始めた時」は、国税庁の資料(注1)では『本来の目的のために使用を開始するに至った日』とされています。
上記①で全額経費とできる資産も、モノが手元に入っただけでは(使い始めていなければ)一切経費にはならないのです。
(注1)国税庁タックスアンサー「No.5400-2 事業の用に供した日」
1人あたり5,000円以下は交際費にならない?
「接待交際費」は、法人税の計算上、年800万円までは費用として認められます(期末資本金の額が1億円以下の場合)。
「800万円も使わないし!」という方もいらっしゃると思いますが、この法人税法上の「交際費」から除くことができる支出があります。
その代表格が、いわゆる「5,000円基準」といわれるものと「会議費」です。
①5,000円基準
「飲食等のために要する費用(社内だけの飲食は除く)で、その支出する金額を飲食等に参加した者の数で割って計算した金額が5,000円以下である費用」
ただし!以下の事項を記録している場合のみ、認められます。
イ:年月日
ロ:飲食等に参加した者の氏名又は名称及びその関係
ハ:参加者数
ニ:その飲食等の額、飲食店等の名称及び所在地
ホ:その他飲食等に要した費用であることを明らかにするために必要な事項
②会議費
「会議に関連して、茶菓、弁当その他これらに類する飲食物を供与するために通常要する費用」
“ランチミーティング”などと言われますが、「会議」に関連するものであれば、それはあくまで会議費です。国税庁の資料(注2)では
1人当たり 5,000円超のものであっても、その費用が通常要する費用として認められるものである限りにおいて、交際費等に該当しない。
と記載されています。
なお、具体的な要件は定められていませんが、こちらも「会議であったこと」の記録(議事録等)は備えておくべきと思われます。
(注2)国税庁「交際費等(飲食費)に関するQ&A(平成18年5月)」
みやぎ税務会計事務所からのお知らせ
課税売上高1,000万円以下の方へ
令和5年10月1日より消費税「インボイス制度」が始まります。
2年前の売上高(基準期間における課税売上高) が1,000万円以下の場合、その年は消費税を計算して納める義務がありません。
しかし、そのような方が発行する請求書・領収書は相手方(売上先)で消費税を認識することができなくなるため、今後の取引に影響する可能性があります。消費税の世界に入るのか入らないのか、選択しなければなりません。
「事業復活支援金」の申請が開始されています
2021年11月~2022年3月のいずれか1ヶ月の売上を前年・2年前・3年前の同月の売上と比較して、30~50% もしくは 50%以上減少している場合、申請することができる支援金です。(その他 申請対象者の要件あり)
一時支援金・月次支援金の申請をされていない方は、①IDの取得 ②「登録確認機関」の確認が必要となります。
なお、②を完了しなければ、申請画面に進むことができない形式に変更されております。
↓画像をクリックでPDFが開きます↓